設計と構築
3-23
図に描く
- 状況
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kintoneでは、思い浮かべた内容を元に素早くアプリを作ったり、設定を反映したりできる。たとえば、業務フローの改善を思いつけば、改善を施すアプリを素早く作成できるし、現場メンバーからアクセス権に関する要望が出てくれば、その場でアプリに設定を反映できる。
- 問題
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実施した改善が思わぬところに悪影響を及ぼしてしまう恐れがある。
業務改善では、業務や業務フロー自体をシンプルに抑えつつ【根本原因の追求】(1-10)をすることが大切だが、頭の中だけですべてを計画・実行するのは難しい。頭の中だけで設定を描いて進めると、漏れや重複などの設定ミスも発生しやすい。
また対象となる業務や業務フロー、業務課題が複雑になると、それぞれの機能の影響範囲が見えにくくなるのでなおさらだ。一部分に加えた変更が、当初は見えていなかった別の箇所の不具合の原因になってしまう場合もある。業務フローやアクセス権で、これらの捉え違いや設定ミスが出てしまうと、業務に及ぼす影響も大きい。
- 解決
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改善を思いついたら、まずは「図」や「表」に描いてみる。
いきなり設定に進まず、現状や改善後の内容について、図や表を使って可視化してみる。たとえば、業務フローについて「誰が」「いつ」「何を」「どういう場合に」行うのか等について「業務フロー図」で簡潔に表現したり、アクセス権は、付与する単位や権限、優先順位等が一覧でわかるように「表」で表現したりする。kintoneでは素早い設定が可能なため、詳細な設計書を残さない場合があるが、よりよい設計のために「図」や「表」で表現する方法が有効な場合がある。
- 結果
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複雑な業務や業務フローを正しく捉えた上で、業務改善やアプリ構成ができるようになる。それぞれの要素の依存関係や影響範囲も見えやすくなるため、思わぬところに悪影響を及ぼすことを未然に防ぐことができる。また業務の全体像が明らかになることで、業務課題の根本原因を見つけやすくなるだろう。全容が可視化され共有されるため、設定ミスも極力減り、また設定についての認識違いが構築者と現場部門の間で発生することも防げる。
さらには業務フローの場合、「業務フロー図」として可視化されることで、シンプルなものを作るきっかけにもなる。
またアクセス権についても、表として一覧で見えることで、メンテナンス性に考慮した設定ができる。