STEP3

設計と構築

3-26
担当別アプリ

業務プロセスでアプリを分けて、繋げる。
イラスト
状況

kintoneはデータを一元管理し、複数の関係者で同じデータを利用できる。その特徴を活かし、組織内でも多くのメンバーの利用が想定される「顧客管理アプリ」を構築しようとしている。

顧客1社につき、様々な業務プロセスが発生するため、複数の業務担当者が一緒に利用するアプリになると考えている。たとえば「案件情報」を入力するのは営業担当者で、「サポート履歴」を入力するのはサポート担当者、といった具合だ。

▼その状況において
問題

担当者ごとの作業やコミュニケーションが競合・混線してしまい、管理が煩雑になってしまう。

すべての担当者にとって使いやすいアプリを目指したいが、そこには制限もある。なぜならkintoneではアプリごとに共通で、拡張機能を使っても利用者ごとに使い分けが難しい機能も存在するからだ。たとえばレコードのコメント欄はレコードごとに1つであり、拡張機能を利用しても担当者ごとで分けることは難しい。そのため同一レコードのコメント欄で、複数の業務プロセスの担当者が異なる内容の会話をすると、コミュニケーションは混線しやすくなる。

一方、各業務プロセスの担当者ごとに使い分けができる機能であっても、1つのアプリに設定を詰め込みすぎると、アプリの管理は複雑になっていく。使い勝手をそれぞれの担当者に合わせるのであれば、必然的にフィールド数やレコード一覧・グラフ機能・アクセス権の設定数、拡張機能などは増えていくからだ。

さらに、アプリの管理者はアプリごとに共通なので、設定変更したい場合は、複数の業務プロセスやアプリの設定を理解した管理者が慎重に設定変更を実施する必要がある。なぜなら設定ミスをした場合の影響範囲が複数の業務プロセスに跨り、広くなるからだ。

▼そこで
解決

構築するアプリに複数の業務プロセスや担当者が関わる場合、アプリを分ける検討をする。

競合や混線が起きないように業務ごとにアプリを分け、業務プロセス間の情報連携が必要な箇所では、アプリ間を「ルックアップ」や「関連レコード一覧」、「アプリアクション」で繋げる。

たとえば担当者が異なっているサポート履歴については、個別にサポート履歴を保管するアプリ「サポート履歴アプリ」を用意して、そちらに保管するとよい。そして、「サポート履歴アプリ」と「顧客管理アプリ」を「ルックアップ」や「関連レコード一覧」、「アプリアクション」で繋げる。

▼その結果
結果

アプリを分けることで、各業務プロセスの担当者にとって一番使いやすいアプリのかたちを目指すことができる。またアプリごとの設定や機能の数が減り、アプリの管理もシンプルになる。そして、アプリ管理者もアプリごとに分けられるので、各業務プロセスで必要な設定変更を、素早く実施できるようにもなる。

また、アプリを分ける際は【親子アプリ】(3-27)と併せて検討するとよい。

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