設計と構築
3-22
3つ以上のアイデア
- 状況
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kintoneを使った業務改善において、とりあえず過去に構築したkintoneアプリを再利用して構築しようとしている。
- 問題
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前例にとらわれ批判的思考なしに業務アプリを構築すると、後で手戻りが発生してしまうかもしれない。
kintoneは素早く業務アプリを構築できることが特徴でもあるので、すぐにアプリ構築に取り掛かかりたくなってしまうかもしれない。
また、kintone活用の事例や過去に構築した業務アプリを参考にすることで効率的に業務アプリを構築できると考えてしまう。
- 解決
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業務システムの開発方針やアプリ構成を決定する前には、アイデアを3つ以上挙げてそれぞれのメリット・デメリットを比較する。
アイデアは、それぞれのメリット・デメリットが異なるものを考えてみるとよい。たとえばアプリ内のデータ項目を考える際に、「入力しやすいように1つのアプリにするパターン」と「データ集計を意識して冗長化を排除したパターン」というアイデアを出し、それぞれのメリット・デメリットを考えてみよう。
また、kintone活用事例や過去に構築したアプリを参考にする場合は、「本当に今回の業務要件に適した内容なのか」を内省してみよう。業務の状況や現場ユーザーのリテラシーといった前提条件が異なる場合、過去に構築したアプリとは別の構成が良いかもしれない。
- 結果
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アイデアを3つ以上出して比較することで、業務要件や業務の状況を踏まえて【業務の付加価値】(1-05)の向上や【システム化のコンセプト】(1-07)の実現に沿っているかを検証できるので、より業務にフィットしたアプリを作れる。
出てきたアイデアは【図に描く】(3-23)ことで、アイデアごとのメリット・デメリットを比較しやすくなる。採用したアイデアの説得力を高められ、自信を持ってアプリ構築を進められるはずだ。ユーザーへの説明もしやすいだろう。
振り返りのときにも「なぜこのような設計になっているのか?」に対する根拠情報として使える。また今回採用しなかったアイデアも、別の改善に活かせることもあるのでナレッジとしてアプリに登録しておくとよいだろう。