STEP1

目的設定

1-05
業務の付加価値

キラリと光る「業務の真の目的」が見つかれば、業務改善の方向性も迷わない。
イラスト
状況

これまで表計算ソフトで管理していたデータを、kintoneアプリ化して業務改善を実現したいと考えている。

▼その状況において
問題

kintoneを使った業務改善を闇雲に進めても、対象となる業務の真の目的に寄与しない場合がある。

紙帳票を電子帳票化したり表計算ソフトのデータをクラウド化することを業務改善と捉えてしまうと、せっかく業務改善をしても目的にそぐわず、意味のないものになってしまう場合がある。

たとえば「月次の売上報告のリードタイムをできるだけ早く集計する」という業務に対して、リードタイム短縮に寄与しない業務改善をいくら実施しても業務の付加価値は向上しない。「データをクラウドで一元化」「作業工数を50%削減」などを目的に掲げて業務改善を始める場合が多いが、多くの場合「手段の目的化」が起きてしまう。業務の真の目的が不明確のまま進めてしまうと、業務改善が無駄になってしまう場合がある

業務改善の計画では「手段」や「作業時間」に注目しがちだが、業務課題を発生させている【根本原因の追求】(1-10)をしなければ、本当の意味での業務改善は実現できない。

▼そこで
解決

対象となる「業務の付加価値」は何かを明確にしたうえで、業務改善のアプローチを決める。

その業務が生み出す付加価値とはすなわち、業務の真の目的であり、それを伸ばすことが業務改善の「目的」になる。たとえば「月次の売上報告業務」の付加価値が「報告リードタイムの極小化」であれば、業務改善の目的は「報告リードタイムを短くすること」となる。

また、業務が生まれた「背景(ビジネス環境・ユーザーリテラシー)」が変化している場合、業務の付加価値も変化している可能性がある。業務の付加価値を「固定的なもの」と考えずに、これまで当たり前だと思っていた前提を批判的に観察し、必要であれば【業務の付加価値】(1-05)を再定義しよう。

▼その結果
結果

業務改善によって伸ばしたい【業務の付加価値】(1-05)が明確になることで、手段と目的がそぐわない事態を未然に防ぐことができる。その業務における最適な「手段」や「作業時間」を見極め、適切な業務改善の計画ができる。

また、業務が生まれた「背景」を見直すことで、その業務自体が不要になっている可能性もある。長く続いている業務であっても、適宜業務の付加価値を見直すことで本当に必要な業務に集中できるだろう。

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