STEP4

リリースと定着

4-36
利用率の把握

使われているかどうか、データから評価する。
イラスト
状況

現場メンバーがkintoneの運用に慣れるまでには時間がかかる。運用定着のサポートをしたいが、kintoneの運用定着をどのように評価すればよいか分かっていない。たとえば利用を開始して1ヶ月間、大きな不満や不具合なく運用できれば、定着したと考えてよいのだろうか?

▼その状況において
問題

運用定着の評価を怠ったり、誤ったりすると、実は使われていないシステムになっている可能性がある。

どの程度利用されているか把握していないと、うまく利用できていないユーザーをそのまま放置してしまう可能性がある。蓋を開けてみたら、旧システムをそのまま使っていたり、システムを介さないアナログな運用で不便を補っていたりする可能性も否めない。そうなれば、せっかく作ったアプリは使われずにムダになってしまう。

▼そこで
解決

kintoneの利用率を計測し、データを基に今後の方針を決めていく。

利用率の測り方としては次の考え方がある。
1.レコード登録数のトラッキング
ユーザーが日常的にレコードを登録するようなkintoneの利用方法の場合、アプリのレコード数の増加傾向を追うことで、日々の利用率が、ある程度判断できる。
定期レポート機能をあらかじめ設定しておけば、レコード数の増加傾向をグラフにし、見える化ができる。

2.レコード閲覧数のトラッキング
ユーザーが閲覧しか行わないような用途の場合、監査ログには閲覧のログは残らないので、ユーザーが閲覧した履歴を、別途蓄積する仕組みが必要になる。

M-SOLUTIONS株式会社のアクセスログ出力プラグインや、Google Analytics の Google タグマネージャーなどを使うことで、アクセス数をトラッキングできる。これらは設計段階でどのアプリのどのページをトラッキングするか事前に決めておこう。

 ▼M-SOLUTIONS株式会社 アクセスログ出力プラグイン
 https://m-sol.co.jp/service/kintone/contents/plugin/log.php

 ▼Google タグマネージャでkintoneのアクセス解析をしてみよう
 https://cybozu.dev/ja/kintone/tips/development/3rd-party-services/data-analysis/analyze-kintone-using-google-tagmanager/

これらの利用率が増加傾向や一定の水準で安定していれば、安定運用に入ったと評価出来るだろう。 逆に、低い利用率で横ばいしていたり、減少傾向にあったりする場合は、テコ入れを行う必要があると判断する。
なぜ新しい運用が受け入れられないのか原因を調査し、利用者の期待度を下げることにつながらないようなるべく早めに改善策を打つ。その際は【要望箱アプリ】(4-35)に寄せられた意見が参考になるかもしれない。

▼その結果
結果

システム管理者は的確にユーザーの利用率を測れ、必要なポイントで改善を行いながら、kintoneでの運用を定着に導くことが出来るだろう。

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