10,940
投票期間は終了しました
猪原歯科・リハビリテーション科は,今年で開院70周年を迎える歯科医院です。“おいしく食べる”は,多くの人にとっての大きな楽しみですが,病気や加齢により,"食"という日常の幸せが奪われてしまう患者さんも多くいらっしゃいます。私たちは,このような方がどんどん増えてしまう2025年問題・超高齢社会に対応すべく,外来と訪問診療の両輪で日々活動しています。共感してくれるスタッフも徐々に増え,今や38人の大所帯となりました。社会のニーズに応えることで,売上も年々上がっており,5年前の2.5倍と大きくなりました。
超高齢社会の到来に伴い在宅医療のニーズは高まっていますが,従来型の歯科医療が市場のニーズに合っておらず,取り残された患者さんたちは「胃ろう難民」とも呼ばれています。私たちは,在宅歯科医療のパイオニアとして,「支える医療」へのパラダイムシフトを目指しています。
猪原歯科・リハビリテーション科の訪問診療部では,基幹システムとしてkintoneを導入しています。主な業務は患者さんのご自宅,もしくは病院・施設に伺い,歯科治療・口腔ケア・リハビリテーション・栄養指導などを行うことです。訪問診療は通常の外来診療と違い,複数のチームが同時並行で様々な場所に伺います。一人の患者さんに毎回同じチームが訪問できるとは限りません。そのため,スピーディーかつ正確な情報共有が欠かせません。それには,それを支えるツールが重要です。私たちはワークフロー分析を行い,kintoneを作り込むことで,質の高い情報共有と効率的で多様な働きかたを実現しています。
以前,kintone導入前の訪問診療部では,様々なソフト(MS Onenote, Word, Excel, 電子カルテ, 介護支援ソフトなど)を組み合わせて業務を行っていました。結果として,1度入力した内容を多数のシステムにコピー&ペーストする手間が発生していました。また,膨大なFAX用紙や郵便物のため,情報が散逸するリスクを常に抱えていました。バックヤードのワークフローもしっかりとしていなかったため,現場で必要な物や情報が足りないこともあり,非効率な働きかたをしていました。担当するスタッフは毎日,平均2時間の残業を抱えており,心身ともに疲労が大きい状態でした。こういった状態をふまえ,効率的かつしっかりとした情報共有を行えるシステムとワークフローが必要だと気付き,kintoneの導入に至りました。
コンセプトは「デジタルに,アナログの優しさを融合」です。訪問診療の現場では,いかに患者とそのご家族をチームに巻き込むかが大切です。なぜなら,普段患者さんのケアを行うのはご家族だからです。
現在,介護現場の最大の問題は「老老介護」。介護を担う人の7割が,60歳以上という厳しい現実があります。
こういった方々にも在宅ケアチームの一員になっていただかなければなりません。そのためには,やはり"紙"の役割が大きいのです。現場で直接お話しをし,さらにその内容を紙でお渡しすることで,よく理解をして頂き,また信頼関係が生まれます。
医療・介護の現場は,まだまだ紙カルテと,郵送・FAXベースで業務が回っています。医療安全のために,デジタル技術を使って,いつでもどこでも必要な情報を見られる環境を整えることは極めて重要です。しかし紙を排除しないアナログ的な優しさも,医療・介護連携においては必要不可欠なのです。これを両立できるのがkintoneと,プリントクリエイター・Faxサービスなどの連携サービスです。
多様な働き方をサポートしつつ,質高い仕事をしたい。それが私たちの想いです。猪原歯科・リハビリテーション科では,シングルマザーや障害を抱えているお子さんを持つ母親など,さまざまな事情のある方が働いています。このような方々が生き生きと「専門職」として働くには「いつでもどこでも」を可能にする情報共有のシステムが必要不可欠です。システムを開発するにあたっては,ワークフローの分析など,まず現状の評価を行いました。その後,どのタイミングでどんな情報を入力し閲覧するべきなのか,理想形を考えていきました。そして,決まったらやってみる,ダメだったらすぐに直す・・・このサイクルを繰り返していきました。kintoneで作り上げたシステムは,それぞれのスタッフが「プロフェッショナル」として本来業務に集中し,かつ多様な働き方を実現する大きな力になっています。
〜 今後の活用ビジョン 〜
今後は,”医療安全に配慮したUIの開発”と”データの2次利用(経営分析・学術研究)”を進めたいと思っています。事故を未然に防ぐ仕組みは医療で使われるシステムにとって欠かせない機能です。現在も工夫をしておりますが,さらに進めていきます。また,普段の業務で蓄積したデータを2次利用することで,チームのクオリティを上げることに役立てていきたいと考えています。
2017年8月1日~8月31日まで
お一人様、何社でも投票できます。
※投票は1つのエントリーに対して、1日1度までとなります。10,940
投票期間は終了しました
2,599
投票期間は終了しました
2,352
投票期間は終了しました
1,115
投票期間は終了しました
1,080
投票期間は終了しました