現在は有償契約の顧客が5000社を超え、
毎月200~300社のペースで導入が増え続けているkintone。
そのkintoneを活用して行われた業務改善ノウハウをユーザー同士で共有しあう場として始まったkintone hiveは、
今では国内のみならず上海でも開催されるなどグローバルなユーザーの輪として広がりを見せている。
今回は幕張メッセで行われたサイボウズ社イベント「Cybozu Days 2016」の会場にて同時開催され、
kintoneに対する取り組みを表彰するkintone AWARD 2016ではkintoneユーザーから34ものエントリーをいただき、
WEB投票によって選ばれた上位5社がファイナリストとして登場した。

ファイナリストによる kintoneの最新活用事例を中心にkintone hive in Cybozu Days 2016 の模様をレポートしよう。

kintone hack

kintone AWARDファイナリストに選出された各企業のプレゼンテーションに続いて行われたのが、
kintone界隈で活躍するディベロッパーおよびエバンジェリスト7名が集結し、kintoneの可能性について紹介するkintone hack。
「kintone hack ~ここまでできるkintone 7人のディベロッパーによる最新トレンド頂上決戦~」と題して、
会場の参加者がその場で投票するスタイルで各ディベロッパーのプレゼンがスタートした。

kintone hive NIGHT

kintone hack終了後は、ナイトイベントとして「kintone hive NIGHT」が開催された。
軽食や飲み物がふるまわれ、ゆったりとした雰囲気の中でイベントがスタート。
冒頭にはkintone AWARDの審査員長である一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授 楠木 健氏のスペシャル講演が行われ、
その後kintone AWARD 2016グランプリの発表、各セッションの登壇者を交えた懇親パーティが行われた。

一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授 楠木 建 氏
一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授
楠木 建 氏
スペシャルセッションに登壇した楠木教授は、「好きなようにしてください~多様性の基盤にあるもの」と題して、仕事やキャリアにおける考え方を披露した。多様性については、一様な状態であるところに多様性という価値観を入れるという考えはそもそも間違いだと論を展開する。「もともと多様なんです、kintoneの使われ方にしても多様だし、人それぞれ多様。存在する多様性をそのまま引き出す、いわゆるインクルージョンが大切だ」と説明する。これはサイボウズの青野社長も同様の考え方であり、共通の意識があることがわかったという。また、キャリアは極めて個人的な問題であり、その考え方には楠木教授のバイアスが当然働くことを前提に、仕事と趣味の違いについて「趣味は自分のため、仕事は自分以外の誰かのため」と説く。また仕事が仕事となる決定的な基準は「余人をもって代えがたい」ものであるべきで、昇進や報酬などインセンティブを前提に取り組むことも大事だが、「努力してうまくいった仕事は、僕の場合はただの一つもない」とバッサリ。大切なのは、好きでたまらないことによって努力の娯楽化が可能なり、それが好循環を生む、つまり「好きこそものの上手なれ」という考え方が最強の論理だと説いた。努力というよりも“凝る”ことができるかどうか、そして仕事は「善し悪し」ではなく「好き嫌い」が重要だという。だからこそkintone hiveに登壇した人たちのように、やらされているのではなく内部的な動機を持ち込んで達成感を味わえるという好循環を生み出していることが素晴らしいことであり、それをシステムとして具現化できるのがkintoneの良さだと締めくくった。
kintone AWARD審査結果
株式会社ヤマウチ が第2回グランプリに決定
最後に、kintone AWARD 2016グランプリの発表が行われ、株式会社ヤマウチの山内氏がグランプリに選ばれた。
「東北の仲間たちのために、もっといい会社になるよう情報共有の手助けをしていきたいと思っています」とコメントした。
  • 株式会社ヤマウチが第2回グランプリに決定
  • 株式会社ヤマウチ / 山内氏
審査員評価コメント
キントーンを使う背後にある、経営者の意図と思想がすばらしい。
ムダな時間が短縮されることが、考える時間とゆとりを生み出し、
一人一人が自ら意思決定をして仕事を進めていくという動きが起きている。
コストダウンにとどまらず、売上増にもなっている。資源や環境の厳しい制約の中で、
本来の「仕事」を取り戻すツールとしてキントーンが使われている。
経営そのものに対するインパクトの点で、最高の事例だと思う。
kintone AWARD審査結果
(左から)サイボウズ 伊佐 政隆 / 株式会社サイバーエージェント 鹿倉 良太氏(審査員)/ NKアグリ株式会社 三原 洋一氏(審査員)/ 株式会社神戸デジタル・ラボ 武富 佳菜氏 /
スターフェスティバル株式会社 眞鍋 友和氏 / 株式会社ヤマウチ 山内 恭輔氏 / 東京急行電鉄株式会社 野﨑 大裕氏 / ニシム電子工業株式会社 藤川 由樹 氏 /
中島工業株式会社 普天間 大介氏(審査員)/ 一橋大学大学院 楠木 建教授(審査員長)
表彰式後、「突撃!となりのkintone」と題して、
会場の方にkintoneにまつわる質問をいただきながら、
グランプリ受賞者やディベロッパーのメンバーが回答していくQ&Aタイムに。
ユーザー同士の交流が遅い時間まで続き、会は幕を下ろした。
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