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クラウドベースの業務システムでも、
出力するドキュメントのクオリティに妥協しない

医療法人社団皓有会
医療法人社団皓有会訪問診療部
医療法人社団皓有会は、現在埼玉県朝霞市と東京都板橋区で歯科外来および歯科訪問診療を行っています。また埼玉県和光市からの委託で口腔ケアステーションを運営しています。
歯科医師数12名、スタッフ総数36名で地域のホームドクターとして信頼されるよう誠実な診療を心がけ、お口の健康管理を通した全身の健康管理をおこなっています。また患者様に対してだけでなく医療・介護従事者の方々向けのセミナーを開催して地域に貢献するよう努めています。

kintone 導入背景

もともとグループウェアのサイボウズを全員が利用していたのでクラウドの利用インフラは整っていたのですが、これまで利用していたタブレットPCでのExcelベースのシステムが十分に活用できませんでした。医院にもどってから入力したほうが確実であるため、全員が医院のデスクトップパソコンを使用することになるのですが、パソコンの数が少ないため順番待ちせざるを得なくなっていました。
2000年に訪問診療を開始して以来、訪問診療の患者数は現在累計で3,000名を超えるまでなっています。患者様の数が増えるにつれ、これらの作業はより一層種類が増えて複雑になり、事務的作業の量が過大になる傾向にありました。

kintone 利用対象となる業務

今回kintone で開発を行ったのは訪問診療部門の業務で、そのうちのスケジュール管理および各報告書作成の業務です。
報告書といっても自社用のものだけではなく、患者様用、ご家族様用、入居施設様用、および医療法で定められた公的書類など、数多くの種類があります。入居施設様用についても運営している法人ごとに異なる書式の報告書が求められ、個別対応が必要です。
また公的な報告書に関しては保険制度の改正が定期的に行われるため、報告書の改定、新規導入、廃止などに対応せざるを得ない状況です。

該当するアプリやスペース名

コンセプトと企画・開発の意義

kintoneを導入したのはインプットの部分の改善が目的でした。スケジュール管理には十分使えるアプリが完成しつつあり、従来のExcelベースのシステムよりも格段に入力しやすいという評価を得ています。
このことによってシステム全体が改善されていくような状況が出来てきているような感触があります。それはスタッフ自らが積極的に開発に関わってくれるようになってきていることです。
1年前にサイボウズを導入して情報共有が活発になり、いままでになかったレベルの自発的な取り組みが数多く行われるようになったときと似たような状況が出来つつあります。一番その業務に精通している人が、その人の力だけで使えるアプリを作成できる。これが kintone の最大の魅力だと思います。
システムのリプレースの際に必ず行わなければならないのが業務フローの見直しです。要らないもの削ったりまとめたり、また足りないものを付け加えたり。
でもkintoneでやると、あれも出来そうだしこれもやってみたい、というように前向きな発想になれたことが非常に大きかったと感じています。
システム変更の際にアウトプットの質を維持するだけでなく、さらに質を高めたいと考えるとどうしても追加したい項目も増えますし、処理業務も膨らんでしまいます。
具体的にはkintoneの入力項目を追加することによってエラーチェック機能を高め、出力後のレポートの検証作業の負担を大幅に軽減させることが目的の一つでした。
もともと私たちはアウトプットの質にこだわり続け、レポート作成システムやセミナー用のイラスト豊富な資料、プレゼン用スライドなど、全て自社で開発・作成してきました。それを手に取った方、目にした方にとって印象に残るようなものであって欲しいと考えているからです。
kintoneに出来ることはkintoneで、出来ないことは他のツールと組み合わせて。このような割り切り方で開発を進めたのは、自分たちの資産であるアウトプット用の豊富な資産を生かしたいと考えていたからです。

創意工夫や想い

報告書アプリの作成に当たって、レポート出力用のアドインをいろいろと検討してみましたが、どれも制約が多く私たちの望むようなレポートは作成できませんでした。
出力ドキュメントのクオリティには妥協したくなかったので、その解決策として以前から使用している複数のソフトウェアを併用することにしました。
複数のスタッフが複数のアプリで入力した項目を、CSVデータ出力用のアプリで統合し一括出力します。1レコードあたりのフィールド数は優に300を超えます。データベースソフトとの整合性を図るため膨大なフィールド数になってしまうのですが、実際にはデータの受け渡し以外で使用することのないアプリなのでハンドリングに戸惑うことは一切ありません。これによって、データベースへの受け渡しはCSVデータの読み込みだけであっという間に完了します。
エラーチェエックのためには患者データ、診療データなどが必要ですが、業務システムであるレセプトコンピュータからデータをCSV形式で随時書き出すようなバッチファイルを作成しkintoneアプリに読み込ませます。
データの中間処理および出力はリレーショナル・データベースで行いました。今回使用したのは4Dというソフトです。
kintoneアプリから出力されたCSVデータを4Dで読み込み、プログラムによって入力データのエラーチェックやデータの整形を行います。
その後レイアウト上にフィールドを配置してレポートを作成するのですが、この際レイアウトにはあらかじめ既存のドキュメントのレイアウトデータが画像として貼り付けてあるので、あたかも既存のシステムから出力しているかのように感じられます。今回開発したシステムは、写真やイラストあるいはグラフが入った複雑なドキュメントであっても、全く問題なくレポートとして出力できるのが強みです。
また、AdobeIllustrator上でJavaスクリプトを実行し、テキストデータを流し込むことで、単票のレポートとしては非常にクオリティの高いものを作成することも出来ます。

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