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支店毎独自のExcelから、
営業社員の汗と涙の結晶を全社で共有するkintoneへ
“支店のバラバラな要求に
ピシャッと答えるなんて無理と考えていたあの頃” 編

ニシム電子工業株式会社
ニシム電子工業株式会社営業統括本部営業統括部
ニシム電子工業株式会社は、九州電力株式会社の通信設備の保守会社として1963年に『西日本無線工業株式会社』として設立されました(1978年に現在の社名に変更)。IT・グローバル化が急速に進展し、産業や経済社会が飛躍的に変化を続ける中、創業より50年以上培った【通信・監視・制御・電源の技術】を核に、システムの企画・コンサルティングから製造、施工、運用、保守までのトータルソリューションを展開しています。ちなみに毎朝の仕事はラジオ体操から始まります。

kintone 導入背景

●System、Structureの問題:
従来は、案件管理をExcelで実施していた。しかも、本社5Gr、13拠点それぞれにExcelを用いて、バラバラに案件管理を実施していた。この状態では、他の部署や支店が今どんな案件を抱えているのかが、部署長会議や個別の営業マンのつながりでしかわからない。全社のリアルタイムな案件一覧など望むことはできなかった。また、それぞれの管理Excelは、一年ごとにファイル自体が新規に作成されるため、過去の蓄積された営業情報をまとめて閲覧できる状態ではなく、必要な情報も、都度手動で集計する必要があった。

●Staffの問題:
現状の上記問題点を、社員自体がさほど問題とは思っていなかった。

●Skillの問題:
当初は営業情報をSalesforceの導入により、全社で一元的に管理しようと試みたが、費用対効果を見い出すことができなかった。

そこで、安くて、現場で改善も可能なkintoneが候補にあがり、導入することとなった。
 該当するアプリやスペース名_1 : 件名管理台帳
 該当するアプリやスペース名_2 : お客さま情報
 該当するアプリやスペース名_3 : 営業案件管理スペース

kintone 利用対象となる業務

営業部門における案件管理、顧客管理業務です。具体的には、以下になります。
・本社、支店含めた、全社での過去の取引情報共有
 (顧客の特徴や特記事項、営業担当の引継業務の簡略化)
・請求書等の提出物漏れ防止チェック。入力の簡便化
・営業活動の分析及び、最新状況の見える化
 (受失注要因の記録、分析と結果に基づいた営業戦略への反映)

該当するアプリやスペース名

コンセプトと企画・開発の意義

コンセプトは以下3つ。
「全社で情報共有」「既存の業務フロー自体を見直す」「本社と支店との衝突の場」

そして意義としては、
「既存の業務フロー自体を見直す」必要を本社kintone導入メンバー全員が感じ始めたことがあげられる。当初のコンセプトは、「全社で情報共有」だけであったが、企画を進めていくうちに変化していった。原因としては、企業文化として紙ベースの業務フローが未だに根強く残っている状況に対して、潜在的に皆が疑問を持っていたことがあげられる。その疑問や不満がkintoneを触媒にして沸騰させることで改善につながった。

また、本社と支店との意見の相違が明確になり争いになったことが意義としてあげられる。元々、支店毎に実施していた業務なので、帳票をはじめとして支店毎の特殊な運用状況があった。今回kintoneで案件管理を全社一元化する中で、本社からは「これは要らないのではないか」など「既存フローの見直し」の意見が出ていた。しかし、支店側では、「とにかく業務を簡単にしてくれ、いままでのExcelの機能は全部できるだろう」等の意見が多かった。しかし、この衝突が進むにつれて、支店側からも改善方法の意見が出るようになり、また一方的な要望よりも、一緒にどう実現するかを中心に議論ができるようになっていった。

創意工夫や想い

工夫のひとつは、女性社員が中心となってkintone化を推進したことである。これにより、リレーションパワーによる本社と支店間の前向きな問題解決の糸口となったと考える。
また、成功原因の一つに、「営業社員の汗と涙の結晶である案件情報をなんとか全社で共有したい」という想いがあったことがあげられる。前提として設備業界の常識の一つに「変わらないことが大事」というのがある。これは定型業務と定型の作業フローによる間違い、ミスの低減という目的のための仕組みである。しかし、現状のやり方では、案件情報が残っていかない。
そこで、この共通の想いが、本社と支店の衝突があっても、kintone化を推進できた理由だと考えている。

資料