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kintoneを大学情報学科2年生
110名の必修科目に!

大阪産業大学
大阪産業大学デザイン工学部 情報システム学科
大阪産業大学は、2015年に開学50周年を迎えました。
これまでの伝統を継承するとともに、学生一人ひとりが人生を変える力を身につけることができる、よりよい教育環境の実現を目的として、大阪産業大学は大きく生まれ変わり、新たな一歩をふみだしています。
6学部13学科のうちのひとつ、「情報システム学科」では、「人にやさしい」情報システムで、豊かな社会を実現、との方針のもと、人の役に立ち、社会で本当に必要とされる情報システムを創造するには、プログラミングやシステム構築の技術だけでなく、柔軟な視点と考え、そして「人を理解する力」が求められます。技術と感性をともに養い、デザイン&IT設計の両面に強いエンジニアを育成します。

kintone 導入背景

「情報システム基礎演習」は、これまで何度か見直しが図られていたものの、情報技術としては極めて古くから行われているテーマばかりでした。また本学科のカリキュラムを見渡しても、「ロジックを教えるだけ」の演習、伝統的な情報理論など、情報システム構築の下流工程にきわめて偏った内容が多く見受けられました。
そこで、情報システムの価値や企画の意義、要求定義など上流工程の意義を知らしめるとともに、情報システム構築にスピードが求められる時代であること、さらにその実現の手段としてのクラウドサービスを理解させる演習を行うべきと考えました。

kintone 利用対象となる業務

情報システム学科では「情報システム基礎演習」を2年生の必修科目として開講しています。学生110名を6つのグループ(約18名/グループ)に編成し、1テーマあたり、2コマ(3時間)×2週、計6時間の授業で、情報システムに関する6つのテーマを順次学習してゆきます。2016年度より、そのひとつ「クラウドコンピューティング」を新設し、kintoneを用いた演習を行いました(資料参照)。学生一人一人がkintoneでアプリを構築、運用し、そのすごさを体験します。

該当するアプリやスペース名

コンセプトと企画・開発の意義

コンセプト:古典的演習を「ぶっ壊す」!

1.授業の導入
まず、情報システムは何のために存在するのか、から話を始めます。「使う人」のため、「オーナー」のため、と短い言葉でこれを伝え、理論や方法論も大事だが、情報システム学科の学生が将来目指す仕事として、利用者、オーナーの意図を理解し、実現するシステムを「考え、創る」ことが、これから求められる仕事であると話しました。
また、これからの時代の開発モデルとして、非ウォーターフォールモデルであるアジャイルモデル、スパイラルモデルを解説し、これらを実現するクラウドサービスが、kintoneだと説明しました。

2.Kintoneに初めて触れる
ここでパソコンを起動、学生ひとりひとりが、情報システム基礎演習の指導書(学科オリジナル冊子)に沿って、チームタスク管理アプリを構築してゆきkintoneのあらましを理解します。わずか10分ほどで全員がアプリを完成させてしまいます。次に全員でアプリを運用し、「すぐに動くシステムが作れる」ことを体験します。
次に2人1チームになって、アンケートアプリを企画、構築します。アンケートの内容は全く自由、チームも自分たちで勝手に決めてもらいます。どんなに長くても30分ほどで全チームがアプリをリリースします。学食人気ランキングや、異性についてのアンケートなど、面白いアプリがたくさんできました。リリースしたアプリをみんなで運用します。ここまでが1週目。

3.アプリを修正、さらに新しいアプリを創る
2週目は、1週目のアンケートに寄せられたコメントを見て、さらにチームで質問を追加します。この授業を受講する2年生は他にも「プログラミング演習」が必修です。コードに少しでも誤りがあれば動かない。動いたとしても、追加、修正などでまた動かなくなってしまう。そんな苦労を味わっています。
Kintoneではどうでしょう。質問項目を増やすのも変えるのも、いとも簡単。コードを書くのに嫌気がさした学生にとっては天国のような演習です。
次に学生生活を便利にすると思うアプリをチームで考え、構築します。ここでは単位の取りやすさなど、授業情報の交換アプリや、本学はキャンパス内に学食が点在しているので、学食情報交換アプリが目を引きました。ポイントは「つくること」より、何をつくるか考えることの方が実は難しい、ということ。情報システム企画の意義を少しは体感できたでしょう。最後はレポート作成で2週の授業は終了します。

4.全グループ受講を終えて
2016年4月から7月にかけ、2年生全員がkintoneを受講しました。受講総数は105名、全員がチームタスク管理アプリを完成させました。チームで作った「アンケートアプリ」、「学生生活に便利なアプリ」はそれぞれ52個、「運用」して作成したレコード数はチームタスク管理を含め2000件に至りました。
授業最後のレポート作成、もちろんこれもkintoneのアプリです。設問のひとつとして、授業の感想を書いてもらいましたが、ネガティブなコメントは一つもありませんでした。他の授業で感想を聞くと、ひとりやふたり「ひねくれ者」がいるのですが、kintoneは、ついにひとりもいませんでした。
また、プログラミング演習はキライだったけど、kintoneを触っている中でJavaScriptとの連携を知り、あらためてプログラミングを学んでゆきたい、という意見は、圧巻でした。

創意工夫や想い

1.ビデオメッセージで青野社長登壇!
授業の導入部分の「クラウドとアジャイルの時代到来!」について、メッセージ性をさらに高めるため、ビデオメッセージの形で青野社長に登壇いただきました。企業また社会の目線から学生に強くメッセージいただき、情報システムの意義、スピードの重要性、クラウド活用を語っていただきました。

2.指導書では「あ~みん」が説明!
わけのわからない数式や構文ばかりの指導書の中で、本テーマは「はじめてのkintoneガイドブック」を引用し、キャラクタの「あ~みん」が語りかける指導書に構成しました。これを見た他の先生がひっくり返っている様子が目に浮かびます。

3.学生自ら、「チームワーク」!
他にもチーム編成をするテーマがありますが、チームは学籍番号であらかじめ決めているようです。社会人ならともかく、大学2年生ですから気の合う仲間で演習をした方が話しやすく、意見も出るわけです。本テーマでは「自由」にチーム編成し、演習課題のアンケートアプリや学生生活を便利にするアプリも「自由」に企画してもらいました。

資料