株式会社京屋染物店

情報共有でどん底状態から過去最高の売上達成! “喜びの共有”がチームをさらに強くする!

  • チーム名:株式会社京屋染物店
  • 業  種:纏・浴衣などの祭り用品、伝統芸能衣装のオリジナル製作やテキスタイルデザイン、染色、和裁・洋裁など
  • 導入規模:16名
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情報がバラバラ……、部署間の連携がとれずチームもバラバラ……顧客の要望に応えられず、「先が見えない」と職人が思わず心情を吐露

株式会社 京屋染物店 蜂谷様 株式会社 京屋染物店 蜂谷様

 株式会社京屋染物店は、大正7年(1918年)に創業し、半纏や浴衣などの祭り用品のオーダーメイドを中心に事業を展開する、岩手県一関市の染工場です。2010年、同社の経営を引き継いだ蜂谷悠介氏は、顧客の声を直接ものづくりに反映させたい、伝統の縫製技術を若い世代へ継承していきたいとの強い思いから、染色のみを担ってきた従来の業務を見直し、染色以外の工程も内製化。営業・デザイン・染色・縫製の4部署、従業員16名の体制で、染物づくりの全行程を手がける、全国でも数少ない企業となりました。

 そして近年は、新たに立ち上げたブランド「en•nichi」の製品で2019年度グッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会主催)を受賞、さらにはアウトドア総合メーカー・株式会社スノーピークとのコラボレーションによりアパレルライン「LOCAL WEAR IWATE」を生み出すなどの取り組みで、各界から大きな注目を集めています。

 そのように、伝統をなにより大切にしつつ、活躍の場を広げてきた同社。しかし、実は蜂谷氏が代表取締役に就任した当初、同社は重大な経営課題を抱え、むしろ危機的な状況にありました。その課題とは、複数の部署に分かれて業務を行うようになった結果、部署・従業員間の情報共有や連携が困難だったこと。情報がバラバラ、チームの意識もバラバラになっていたのです。

営業・デザイン・染色・縫製、と複数の部署の作業の様子 半纏の納品までに、営業・デザイン・染色・縫製、と複数の部署が関わっている

 たとえば営業担当者が、なんとか顧客の要望に応えたいと、特急仕上げの注文を取ってきたとします。ところが、しばらくすると各部署から、「特急とは知りませんでした。デザインする時間が足りません」「そんなの無理です。今、生地の在庫がないんですから」といった声が上がってくる。それもそのはず、各案件の情報共有については、注文内容と納期を記した付箋をホワイトボードに貼っているだけ。各工程の具体的な内容や作業量はわかりませんし、見落としてしまうこともあります。ましてや顧客の思いや受注に至った背景までは伝わりません。営業側からしても、在庫状況や各部署における作業の進捗を把握できないため、そもそも仕事を請けていいのか判断しようがありません。チーム全体として作業時間にどのぐらい余裕があるかわからないため、結果的に全部署が、納期を長めに見積るようになっていました。

 「通常1~2週間で納品可能なご注文でも、お客様には『納期1か月です』とお伝えすることになってしまう。お急ぎのお客様に対して、『最短XX日で納品できます』といったコミュニケーションを取れず、本来ならお請けできる注文もお断りせざるを得ない状況でした」

 確かに従業員は、それぞれの部署でベストを尽くしている。そこでがんばりさえすれば、会社はよくなると皆が信じている。しかし現実には、一所懸命がんばるほどに残業は増え、経営状態は悪化していきました。

 情報はバラバラ、チームもバラバラ――全国の染物店が廃業を余儀なくされ、業界が衰退していく中、なんとか伝統の技を守り、皆の未来を作っていきたい。アナログな情報共有の仕組みから脱却しようと、あるシステムを導入したものの、活用できずに終わったこともありました。

 「ベンダーにシステムを開発していただいたのですが、最初に仕様をカチッと決めて構築してしまったため、日々使っていくうちに現場から出てくる『ここをもっとこうして欲しい』という要望に即応できませんでした。結局100万円ほど投資したシステムが、使いづらいということでだんだん使われなくなって、本当に辛かったですね」

 必死にもがく蜂谷氏は、ある日、従業員からこんな心情を吐露されたそうです。

 「この仕事は体力的にすごくきついし、汚いし、先が見えない。社長にはもうついていけません」

 そうしたすべてがバラバラな状況の中、蜂谷氏はkintoneと出会ったのです。

従業員の声を自分でシステムに反映できたkintone 「皆で作ったものだから」社内で情報共有が活性化

 蜂谷氏がkintoneを知ったきっかけは、東北地域の別のkintoneユーザーを訪問したことでした。マウス操作で簡単にシステムを変更できるkintoneなら、実際にシステムを使う従業員の声を自分でシステムに反映できる、と確信した蜂谷氏。以前に一度システム導入を失敗した経験を踏まえ、まずは数人のコアメンバーで、現場の業務課題や不満を洗い出すところから始めました。さらに、全従業員を集め、「なぜkintoneを使うのか」「なんのために働くのか」などを長時間かけて話し合ったそうです。

 「前回の経験があるので当然ですが、kintoneの導入を告げたとき、多くの従業員の反応は『またか』という感じで、活用にも消極的でした。しかし、話し合いやkintoneへの要望の反映を続けていくうち、『皆ががんばって作っているシステムだから』という形で、徐々に利用が広がり、情報共有が活性化していったのです」

情報一元化&業務効率化で過去最高の売上を達成 顧客と仲間の喜びがチームをひとつに

課題とkintoneによる効果の説明図

 kintone導入から約半年後、同社ではさまざまな業務が、徹底的な情報の可視化と共有を基本とするスタイルへと進化を遂げていました。たとえば顧客・受注管理については、従来、紙で個別に管理されていた顧客・案件情報や製作指示書などをkintoneで一元化。それによって、製品の最終納期はもちろん、部署ごとの納期や進捗状況がグラフ表示され、全案件の工程がそれぞれどのぐらい進んでいるかをひと目で把握できるようになったのです。

 「営業担当者はそれを見て、最短の納期がいつになるか、あるいは以前ならお断りしなければならなかったご注文でもお請けできるかどうかを的確に判断できるようになり、失注が格段に減りました。また、いつ、どの部署の誰に仕事が集中しているかがわかるようになったことで、『なにか助けてあげられることはないかな?』と、自然に従業員・部署間で支え合うようになりました」

 以前は深夜0時過ぎまでの残業も珍しくなかった同社ですが、チーム一丸となって助け合う環境が生まれた結果、今では従業員のほとんどが17時に終業しているそうです。

 また同社は、kintoneの連携サービスを駆使することで、販売管理における請求の計算や帳票出力等を円滑化。Webサイトからの問い合わせ情報も自動でkintoneアプリに登録しています。情報が1か所にまとまったことによって、入力コストの大幅削減や日報入力の自動化、勤怠管理の効率化など、あらゆる業務が改善されているのです。

 従業員のモチベーション向上という点でも、kintoneの貢献は計り知れない、と蜂谷氏は熱弁をふるいます。

 「kintoneのコメント機能を使って、今まで現場には伝わらなかったお客様の喜びの声や、従業員同士の感謝の言葉を共有することで、“感動が見える”ようになりました。成果が数字として見え、さらにお客様や仲間の喜びがわかる。チームワークというのは、そういうところから生まれてくるんですね。『ひとりでできることは限られている。皆で助け合ってお客様の役に立ちたい』という言葉を従業員から聞けたのが、ものすごく嬉しくて……。思い出すだけで泣きそうです」

 業務に直接必要な情報だけでなく、そうした声も共有することで、“チーム京屋”はさらに強くまとまっていったのです。

 もちろん、kintone導入の成果は、数字としてもはっきりと現れています。初年度の繁忙期の売上は、前年の約1.5倍まで跳ね上がり、通期の売上も過去最高を記録。新型コロナ禍に見舞われた2020年度でさえ、業績は過去最高を更新する見通しだといいます。

 バラバラだった情報をひとつにまとめ、感動も共有することでチームとしてひとつにまとまり、強くなった京屋染物店。「一関から世界へ」を合言葉に、同社は今も進化し続けているのです。

株式会社京屋染物店
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